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宇宙人の動物園からご招待:脱走するなよ?絶対するなよ?

  • 執筆者の写真: 絵悟 悠真
    絵悟 悠真
  • 3月15日
  • 読了時間: 10分

深夜2時。闇に包まれた部屋の中で。


ペテン師EJは足を組み、煙草を吹かしながらモニターを眺めていた。


(※音楽でも聴きながら新感覚の読書体験をどうぞ。)

宇宙人動物園からご招待yuma-ego作品
ペテン師EJ登場シーン

画面には、未公開の天文学データが映し出されている。


「フェルミのパラドックスか。知的生命体が宇宙に無数にいるはずなのに、俺たちは誰とも出会えない。矛盾してるよな?」


彼は肩をすくめ、モニターを指で弾く。


「いや、正確には——"出会えないようにされてる" って話か?」


背後で足音がした。


「言葉遊びは結構だ。証拠を出せ。」


カルト教祖スペック登場シーン

カルト教組スペックが現れる。白衣を翻しながら、モニターの前に立つ。

彼の瞳には、冷たい計算式が浮かんでいた。


「NASAの未発表データ、SETIのログ、UFO目撃記録……」


EJはファイルを指で弾きながら笑う。


「数学的には、銀河系だけで数百万の知的生命体が存在するはずだ。なのに、証拠はゼロ。おかしいとは思わないか?」


スペックは腕を組み、無感情に言う。


「つまり、人類は宇宙で孤独なのではなく、孤独であることを強制されているというわけか?」


EJはニヤリと笑った。

「なら、その"強制"をぶち壊してみるか?」


宇宙人は存在するのか?フェルミのパラドックスとは


フェルミのパラドックスの画像

EJはホワイトボードに、乱雑な文字で「フェルミのパラドックス」と書いた。


その下に、無数の矢印とパズルのピースが並ぶ。


「銀河の数、2兆個。平均で1つの銀河に1000億個の星がある。生命が誕生する確率を最低値で見積もっても、知的文明は数100万単位で存在するはず。」


EJはマーカーを回しながら続ける。


「なのに、俺たちは彼らを一切観測できていない。矛盾だらけだ。」


スペックはボードを眺め、静かに言った。


「数学的にはそうだな。しかし、それは数学の問題ではなく、観測の問題だ。」


(※数学的に考えれば宇宙人はいるはず。なのに、証拠はゼロ。この矛盾、どう説明する?より詳しく知りたい者はフェルミのパラドックスのWIKIでも見てくれ。)


EJは笑う。


「いいね。その視点、気に入った。じゃあ、考えようぜ。観測できない理由ってやつをな。」


スペックが表情なく答える。


「つまりこういう事だ。」


  • 生命の発生が奇跡的な確率でしか起こらない

  • 知性を持つまでに進化する確率が極端に低い

  • 文明は短命で、自滅する(核戦争、環境破壊、AIの暴走)


スペックは静かに呟く。


「この仮説が正しければ、人類は宇宙で唯一の文明ということになる。」


EJは笑みを浮かべる。


「そんな都合のいい話が、信じられるか?」


スペックはホワイトボードに書かれてある文字を見つめる


  • 地球との距離が遠すぎて交流ができない

  • 高度な文明でさえ、恒星間移動は困難

  • 観測技術の限界で、人類が"見えない"だけ

  • "意図的な隠蔽"が行われている


ふと、その一角に目を留めた。


「……意図的な隠蔽、か。」


EJは頷く。


「もし、俺たちより遥かに進んだ文明が存在するとしたら?やつらが監視はするが干渉しないと決めているとしたら?」


彼は、ボードの隅に一言だけ書いた。


スペックはボードを見つめ、低く呟いた。


「つまり、地球は隔離施設だと?」


EJは口角を上げ、マーカーを放った。


「だったら、そのをぶち壊してみようぜ?」


なぜ人類だけがここまで進化した?スペックの3つの仮説


ロズウェル事件の画像

スペックは積み上げられたファイルを一瞥した。


戦後の極秘文書、NASAの未公開データ、UFO目撃証言の記録——。


「……急激すぎる。」


静かな呟きが、薄暗い部屋に響く。


EJは足を組み、余裕の笑みを浮かべた。


「どの部分が?」


スペックは一枚の資料を手に取る。


そこには、1947年のロズウェル事件直後に爆発的に発展した技術リストが並んでいた。


  • トランジスタ(半導体技術) → 1947年開発

  • レーザー技術 → 1958年開発

  • マイクロ波通信 → 1950年代から急成長

  • 核兵器の急激な発展 → 1940年代後半から加速

  • コンピュータ技術の指数関数的進化 → 1950年代以降


(※ロズウェル事件、知ってるか? 1947年、アメリカでUFOが墜落したって話だ。 真相は未だに霧の中。興味が沸いたらロズウェル事件のWIKIでも見るといい)


スペックは冷静に言う。


「第二次世界大戦が終わった直後から、技術革新のペースが異常に速くなった。たった数十年で、地球の文明は産業革命の何倍もの進化を遂げている。」


EJは頷いた。


「つまり、誰かが"加速"させた?」


スペックは指を鳴らし、仮説を提示する。


仮説1-人類の独自進化説


  • 偶然の連鎖で技術革新が爆発的に進んだ

  • 科学者たちが独力で新技術を生み出した

  • 何の干渉もなく、人類が自ら進化を遂げた


EJは鼻で笑う。


「こんなものは最初から除外だ。ファンタジーでも書いてるのか?」

スペックも静かに頷いた。


「なら、次の可能性だ。」


仮説2-秘密裏の技術移転説(地球外干渉)


  • 宇宙人が秘密裏に技術を提供し、地球文明の発展を促している

  • ロズウェル事件以降、何らかの情報共有が行われた可能性

  • 政府や特定の組織だけが、宇宙人の存在を知っている


EJはホワイトボードに「技術の不連続性」と大きく書く。


「"車"の発明から"飛行機"の発明までは何十年もかかった。それなのに、"トランジスタ"から"コンピュータ"への進化は異常な速さだった。」


スペックは静かに言った。

「この"空白"を埋める存在がいた?」


EJは指を鳴らす。

「それが"彼ら"だとしたら?」


仮説3-宇宙人による遺伝子操作説


  • 人類の進化そのものが、外部の干渉によるもの

  • 知的生命体を生み出すための"試験プログラム"が実行された可能性

  • 古代文明の痕跡が、それを示唆している


EJは新たな資料をテーブルに置いた。


ナスカの地上絵、ピラミッド、ストーンヘンジの写真が並ぶ。



古代文明の画像


「この"技術格差"は何だ?」


スペックは写真を見つめながら言う。


「古代文明は石を積み上げる技術しか持たなかったのに、突然"精密すぎる建造物"を作り出した……」


EJは小さく笑う。


「もし"彼ら"が知的生命体の進化を監視していたとしたら?」


スペックは眉をひそめる。


「まるで……"育成ゲーム"みたいだな。」


地球は動物園だった?ゴリラとイルカの進化制御プログラム


ゴリラとイルカの画像


EJはニヤリと笑いながら、もう一枚の資料を放った。


「なら、説明してもらおうか。なぜゴリラやチンパンジーは何百万年経っても石器すら作らない? DNAの98.8%が人間と同じなのに?」


スペックは資料に目を落とす。


「遺伝子の差異はわずかでも、発現の調節機構が大きく違う……というのが生物学の答えだが、"意図的に止められている"可能性はあるな。」


EJは続ける。


「さらに不思議なのは、イルカだ。脳の構造やニューロンの密度は人間とほぼ同じ。人間に次いで脳化指数が高いのに、なぜ文明を築かなかった?」


スペックの目がわずかに細くなる。


「地上で文明を発展させる条件が揃わなかったのか、それとも"揃えられなかった"のか……」


EJは指を鳴らす。


「仮に、"彼ら"が知的生命体の進化を調整していたとしたら? 人間だけを選び、他の種は制限した。イルカが高度な知能を持ちつつも進化を遂げなかったのは、"陸に上がるチャンスを与えられなかった"からかもしれない。」


スペックは資料を閉じ、低く呟く。


「つまり、人類は"選ばれた種"であり、他の知的生命体は意図的に抑え込まれた……?」


EJは口角を上げ、ホワイトボードに新たな言葉を書き加えた。


EJはボードに書く。


「地球=動物園説」

地球=動物園説の画像

「もし"彼ら"が高度な文明を持ち、我々を"知的生命体"として進化させていたとしたら?」

スペックは目を細め、静かに言う。


「……なら、"彼ら"の目的は何だ?」


EJは軽く笑った。


「それを探るために、俺たちは次の一手を打つ。宇宙の知的生命体は、俺達の思考の裏をかいているかもな。」


EJはキーボードを叩きながら、SETIの最新データを解析していた。

SETIは 「宇宙人がいるなら、電波とか光で合図を送ってるかもしれない!」 って考えて、そういう信号を探すプロジェクトだ。詳しくは地球外知的生命体探査のWIKIでも見てくれ!


スペックは横で、暗号化された政府の報告書をめくる。


「地球外からの知的信号、ゼロ……か。」


EJがつぶやくと、スペックが無感情に答えた。


「"ゼロ" であることが、むしろ不自然だな。」


EJは手を止め、視線を上げる。

「何が言いたい?」


スペックは、静かに机の上に資料を置いた。


地球シュミレーション計画


EJの笑みが消えた。


「……つまり、"彼ら"が地球をつかって進化のシミュレーションをしている?」


スペックは資料を指でなぞりながら言う。


「オックスフォード大学の研究によれば、人類が宇宙で唯一の知的生命体である確率は39%~85%とされている。」


EJは鼻で笑う。

「その幅、広すぎるだろ。」


スペックは淡々と続ける。

「だが、確率論だけで語るなら、宇宙に知的文明が多数存在するはず。どちらの数値が正しい?」


EJは黙った。


スペックは視線を上げ、無表情のまま言った。


「この矛盾の答えとして、"宇宙自体が何者かによって管理されている"可能性がある。つまり……」


EJが低く呟く。


「地球は、"観測者"によって管理された閉鎖環境?」


スペックは頷いた。


「そして、その"観測者"こそが宇宙人だとしたら?」


EJは指を鳴らし、笑みを取り戻した。


「面白いな。なら、"奴ら"に気づかれずに、このシミュレーションの枠を破る方法はあるのか?」


スペックは無言でノートPCの画面を見つめた。

その瞬間——


EJのPCが突如、ブラックアウトした。


宇宙人からの警告


部屋の中に、沈黙が落ちる。


「……見られている?」


「宇宙の知的生命体は、我々の思考の裏をかいている?」


警告: 不正アクセスが検出されました


宇宙の監視者による干渉の画像

画面が赤く点滅し、警告メッセージが表示された。


EJはすぐに別の端末を立ち上げる。しかし、同時にスペックのスマホが振動した。


画面に映るものは…


前たちは、禁じられた扉を開けた


EJは目を細め、口元に不敵な笑みを浮かべる。


「……さすがに勘がいいな。やつらが動いたか。」


スペックは無言のまま、ディスプレイを見つめていた。


「どうする?」


EJはホワイトボードに、最後の一手を書き込む。


地球脱出計画


「観測者のルールを破るなら、もう一つの方法がある。地球の外に出て、シミュレーションの枠を超えることだ。」


スペックは静かに頷いた。


「つまり、宇宙に出ることで、彼らの本当の意図が見えてくる……?」


EJは笑みを深める。


「このゲーム、終わらせるつもりはない。むしろ、ここからが本番だ。」


彼らの目をかいくぐる手段はあるのか?


部屋の中に、静寂が広がっていた。


EJとスペックはディスプレイを見つめたまま、次の一手を考える。


お前たちは、禁じられた扉を開けた


たったそれだけのメッセージが、画面に浮かび上がっていた。


「……どうやら、彼らは監視を強めるつもりらしい。」


EJが静かに呟く。


スペックは指を組み、冷静に言った。


選択肢は二つ。

  • 「一つは、このまま手を引き、奴らの目に触れないように沈黙する。」


EJは鼻で笑う。

「却下だな。もう一つは?」


  • 「奴らのシステムを逆手に取り、我々が観測者になる」


EJの目が鋭く光る。

「つまり、監視を逆利用するってことか。」


スペックは頷いた。

「彼らは人類の進化を監視している。しかし、監視する側には盲点がある。彼らのアルゴリズムを逆に解析し、こちらから彼らの姿を暴くことができれば……」


EJはゆっくりと立ち上がる。


「奴らを見つけ出し、彼らに気づかれずに接触できる。」


スペックは無言で、ノートPCに新しいコードを打ち込む。


——観測者が、観測される時が来た。


その瞬間、PCの画面が切り替わった。


新たなログイン画面が表示されている。


アカウント名には、こう書かれていた。


オルフェウスのログイン


ACCESS: ORPHEUS


オルフェウスのログイン画像


EJの指がピタリと止まる。


「……オルフェウス?」


スペックもまた、画面を凝視していた。


「この名前……何かのコードネームか?」


EJはニヤリと笑う。


「さあな。でも彼らは、今、俺たちに次のゲームを仕掛けてきたってことだ。」


スペックは静かに呟く。


「……なら、受けて立つしかないな。」


二人はゆっくりとPCに向き直り、未知なるゲームのログインボタンに指を伸ばした。


——そして、新たな戦いが幕を開ける。

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